消化器内科・胃腸科について
消化器内科では主に口から肛門までの消化管（食道・胃・小腸・大腸）や肝臓、胆のう、すい臓の病気を扱っています。
これらの臓器に異常が起こるとさまざまな症状が出てきます。
腹痛、お腹の張り、胸やけ、食欲不振などのお腹の症状や、便秘・下痢・血便といった排便の異常まで診察します。
ピロリ菌の除菌治療、潰瘍性大腸炎やアメーバ性腸炎などの検査治療も行っています。
次のような症状がある方はお気軽にご相談ください。
- 胸やけ
- 吐き気
- 胃の痛み
- 食欲不振
- 胃の不快感
- 便秘
- 下痢
- 血便
- 全身倦怠感
- 黄疸
- 体重の減少
- 検診異常（便潜血反応陽性、ピロリ菌陽性、肝機能異常など）
主な疾患
逆流性食道炎
胃から胃酸が食道へ逆流して食道炎を起こしている病気を逆流性食道炎と言います。食道と胃の境界部分が赤くまたは白く変色したり、悪くなると潰瘍を形成したりします。胸やけや胸の痛みなどの不快な症状が出ます。繰り返すと粘膜がただれたり、食道に潰瘍ができたりします。
原因はストレスや生活習慣によることがありますが、加齢で胃と食道の間にある筋肉が弱まると発症する場合もみられます。胃に負担のかかる食事を控え、前屈姿勢などの腹部をしめつけるような行動を避け、生活習慣を見直すことで緩和されます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃酸によって粘膜が深く傷つき、腹痛やみぞおちまわりの痛み、背中の痛み、出血による貧血、また吐き気や嘔吐、血便などの症状が見られる病気です。薬物療法で胃酸の分泌を抑えるほか、ピロリ菌感染が原因の場合には、除菌治療を行うことで効果的に改善することが可能です。
ピロリ菌感染症
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染することで起こる病気の総称をピロリ菌感染症と言います。主に胃がん、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの大きな原因となります。特に胃がんのリスクを顕著に高めることがわかっており、ピロリ菌に感染して長期にわたりそのままの状態が続くと、胃がんのリスクが高まります。
当院では除菌治療を積極的に行っています。ピロリ菌検査を受けて、早めの除菌治療を受けることで、胃がんなどの重大な病気の未然防止に努めましょう。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に炎症が生じ、びらんや潰瘍ができる原因不明の病気です。治療が難しく厚労省の特定疾患の難病として認定されていて、医療費助成の対象となる疾患です。
代表的な症状としては、下痢・血便・腹痛・発熱などがあります。進行すると便に血の他に膿や粘液などが混じるようになり、腹痛が頻繁に起こり、高熱・吐き気・嘔吐・貧血・体重減少などの全身症状に至ります。
比較的若い人に多くみられる病気で、近年急激に増加しています。発症年齢のピークは男性で20～24歳、女性では25～29歳にみられますが、若年者から高齢者まで発症します。
過敏性腸症候群
腹痛や腹部不快感をともなう下痢や便秘などの便通異常が慢性的にくり返される疾患のことです。原因となる器質的障害を認めない腸管の機能性疾患です。またストレス社会の先進国に多く、いわゆる文明病とも考えられています。
脂肪肝
脂肪肝とは、肝細胞に中性脂肪が脂肪滴として過剰に沈着している、脂肪沈着症を言います。
原因は暴飲暴食、運動不足などの生活習慣にあります。これらの原因はいずれも動脈硬化、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病の原因となるためその治療が大切です。
機能性ディスペプシア（FD）
胃の痛みや胃もたれなどのさまざまな症状が慢性的に続いているにもかかわらず、内視鏡検査などを行っても、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃がんなどのような異常がみつからない機能的な異常が原因となる病気です。
主な症状は胃の痛み、胃もたれ、胸やけ、吐き気などの辛い症状が慢性的に続きます。病態に応じた治療・対応が必要です。
消化器内科と検査
現代社会において消化器系の症状に悩まれているかたはたくさんいらっしゃいます。
ですが「胃が痛い」という症状ひとつとってみても、原因や治療法は様々です。
胃酸過多、慢性胃炎、ピロリ菌の感染、逆流性食道炎、胃腸炎、胃腸の機能低下、便秘、ストレスなど「胃が痛い」原因となる症状は多岐にわたります。
こうした時に、患者様が胃の痛みを訴えているから胃薬を出せば治るわけがなく、それぞれの原因によって治療方針を定める必要があり、そのために検査は非常に重要な役割を果たします。
当院では「病名を付ける」ことを目的にするのではなく、なぜその症状が現れるのかを種々の検査で探り、その上で治療法を決める、あるいは試みることを常に考えます。また胃がんやリンパ腫など悪性の病気は初期症状がほとんどないことが多いので、慢心せず油断せず検査に当たりたいとも思います。